PEOPLE

研究開発

加工・プロセス開発研究所

2019年 新卒入社
工学研究科 卒

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ケミカル製品の効率的かつ安定的な
製造プロセスを探求し続ける

研究開発に携わるケミカルエンジニア

学生時代に学んだ化学工学を活かして知見を積み上げ、新たな製品や技術を生み出す研究開発の仕事に就きたい。そう考えて、就職活動をスタートしました。しかし、化学工学を活かせる場としては、生産現場にフォーカスした生産技術職が多く、自分の理想とは少し異なると感じていました。
そんな中、花王では研究開発職として、ケミカルエンジニアがラボから生産現場まで密接に関われることを知り、強く惹かれました。そして、人々の暮らしに根ざした日用品を提供する花王ならば、製造プロセスの研究を通じて社会に貢献している実感や達成感も得られると感じ、入社を志望したのです。

入社後は加工・プロセス開発研究所に配属され、私は各種界面活性剤の原料となる高級アルコールの製造技術開発を担当しています。私たちが行っているのは、ラボで開発された有用な化学品や反応を、工業規模で安定的に生産するための製造プロセスに落とし込む仕事です。
ラボスケールでは問題なく製造できても、実際の工業規模ではさまざまな課題が生じます。それらを1つずつ解決し、ラボと生産現場をつなぐのが私たちの重要な役割です。モノづくりの根幹を支えているという充足感を感じながら、日々仕事に取り組めています。

シミュレーションを駆使し、新規プロセス開発を推進する

私は現在、高級アルコールの新規プロセス開発に取り組んでいます。新規プロセス開発とは、目的の製品を現状と比べて、より効率的かつ安定的に生産するための新たな製造技術の開発です。
花王の高級アルコール製造は独自の触媒技術で支えられており、触媒を進化させる研究が日々行われています。そんな進化を続ける触媒の性能を最大限に発揮する製造プロセスを開発することが私の役割です。

実際の開発では、ラボやベンチスケールの実験設備を活用し、シミュレーションを組み合わせながら、温度や圧力などの運転条件を考慮した最適なプロセスや運転方法を探求していきます。思うような結果が得られないことも多いですが、実験や解析を着実に積み重ねていく。そうすることで現象の本質が明らかとなり、最適な製造プロセスの全体像が描けていく過程に、面白さとやりがいを感じます。
もちろん試行錯誤は不可欠ですが、やみくもな実験は非効率です。そこで、シミュレーションを活用して一つの実験データからより良い反応条件を予想し、次の実験を計画するなど、効率的なアプローチを大切にしています。この実験の効率化においては、学生時代に培った研究の進め方や数値解析のスキルが大いに活きていると感じます。

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新規開発と海外プロジェクトの両立で得た大きな成長

新規プロセス開発に加えて、現行生産を支援する業務も担当しています。生産拠点であるマレーシアやフィリピンにおいて、生産効率の向上や安定生産を支える仕事です。
具体的には、海外工場で働く方々や生産部門と協働しながら、現行の運転状況を解析し、エネルギーや廃棄物を低減する運転条件や、現場の負担を軽減する運転方法の提案を行っています。また、日々の生産で発生するトラブルへの対応も重要な役割の一つです。
業務を進めていく中では、他部署や生産現場の方々に実験やサンプルの分析をお願いする場面も多くあります。その際は、目的や意義を丁寧に説明し、得られた結果について必ずフィードバックを行うよう心がけています。そうした積み重ねが、信頼関係の構築につながると信じています。

現行生産に関する業務で特に印象に残っているのは、入社6年目に担当したマレーシアの工場での実機試作です。約1カ月間マレーシアに出張し、現場の方々と直接意見を交わしながら課題解決に取り組みました。自分の検討や提案が生産に直接影響する怖さを感じつつも無事にやり遂げ、実機設備の理解や生産現場とのつながりを深めることができました。
実は、担当していた新規プロセス開発も正念場を迎えており、新規開発の検討と海外出張に向けた関連業務を並行して行わなければならない状況でした。非常に大変な日々でしたが、この経験を経て、業務全体を俯瞰し、個々の検討の目的や位置づけを理解する力が身につきました。また、課題解決のために具体的な検討に落とし込む力も養われ、アウトプットの質とスピードも格段に向上したと感じます。自分の着実な成長を実感でき、仕事が今まで以上に楽しくなったのを覚えています。

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サステナブルな製造プロセスを目指して

社会にとって重要な基幹原料である高級アルコールをはじめとしたオレオケミカル製品を、今後も持続的に製造し世の中に貢献していくためには、長い年月をかけて築き上げられた技術・思想を継承しつつ、低環境負荷をはじめとした時代のニーズに応えられる新たな製造技術の開発と実装が不可欠です。
例えば、原料が100%製品になるとは限らず、一部は副生物として廃棄されるため、この副生物を可能な限り減らし、原料を最大限に有効利用できる製造技術が求められています。研究開発に携わるケミカルエンジニアとして、限りある資源を余さず使うサステナブルな製造プロセスの開発を通し、社会に貢献していきたいと考えています。

その目標達成のために意識していることの一つが、日常業務の中で、担当分野に限らず社会課題や技術に触れ、考える時間を確保することです。こうした新規技術の提案に向けた活動は、目の前の業務に追われるとつい先送りしがちですが、週の始まりに「金曜日の午前中はこのテーマについて調査する」などと予定を書き出すことで、行動を意識づけています。今後も専門性を高めつつ、継続的に世の中の変化を捉えて視野を広げ、今までにない発想での開発を追求していきたいと思います。

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ONEDAY1日のスケジュール

  • 出社

  • 在宅勤務

  • 6:10

    起床

  • 7:00

    通勤

  • 7:45

    出社

  • 8:30

    実験開始

  • 12:00

    昼食(社員食堂)

  • 15:00

    実験終了

  • 16:00

    打合せ(検討進捗共有など)

  • 17:00

    資料作成

  • 18:30

    終業

  • 19:00

    帰宅

  • 19:30

    夕食、自由時間

  • 23:00

    就寝

  • 6:30

    起床

  • 8:00

    始業、資料作成

  • 10:00

    解析業務(データ整理、シミュレーション)

  • 12:00

    昼食

  • 13:00

    会議

  • 15:00

    資料作成、解析業務

  • 17:00

    終業

  • 19:00

    夕食、自由時間

  • 23:00

    就寝

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