PEOPLE花王で働く人々
研究開発
包装技術研究所
2022年 キャリア入社
2010年 農学研究科 卒

花王で叶える、
未来の包装開発
子育てしながら、全力で働ける
花王へ
学生時代は、植物の細胞壁を形成しているセルロースについて研究していました。そして、セルロースを使った新素材開発を行っている企業を中心に就職活動を行い、段ボールなどの包装資材を製造・販売する会社に入社しました。
しかし、配属されたのはセルロースで新素材を開発する部署ではなく、パッケージの形態開発を行う部署でした。希望していた部署ではなく当初は戸惑いを感じることもありましたが、仕事に打ち込む中で、包装の仕事の面白さに気づき、やりがいを感じるようになっていきました。
その中で、転職を考え始めたきっかけは子どもの誕生でした。仕事と育児、家族との時間のどれも大切にしたい…。そんな思いが強くなりました。しかし、当時勤めていた会社ではフレックス制度等を利用した働き方に選択肢が少なく、柔軟な働き方の実現が難しいと感じていました。
そこで、子育てをしながらでも、全力で働けると感じた花王への転職を決意。特に包装技術研究所ならば、自分のパッケージ開発のキャリアを活かして、新しい挑戦ができると考えました。実際に花王では、出社勤務と在宅勤務を組み合わせることができ、裁量労働制度も導入されているので柔軟な働き方が可能です。望んでいた通りに、仕事と育児の両立が叶っています。
目指すのは、環境に優しく、愛着を持って使われる包装容器
包装技術研究所では、花王製品における包装容器の研究開発を担っています。私は現在、液体衣料洗剤のブランドである「アタック抗菌EX」を担当し、ボトルやキャップ、パウチといった個包装から、輸送包装の段ボールまで、商品に関わるすべての包装について開発・評価をおこなっています。
包装容器の開発で大切にしているのは、お客様が使いやすいと感じ、愛着を持って使い続けていただけるようにすることです。ユニバーサルデザインの視点を忘れず、注ぎやすさや詰め替えやすさなどを考慮し、細部にまでこだわって設計を進めていきます。
また、プラスチック使用量の削減をはじめ環境への配慮も欠かせません。包装に使用するプラスチックを減らせると、地球環境への負荷を軽減でき、コストも削減できます。しかし、そのために強度や密封性が損なわれたり、使いづらくなったりすると本末転倒です。液漏れや中身の変性が起こらないよう、様々な評価を実施して、最適な仕様を導き出していきます。
さらに、事業部門や生産技術部門、包材メーカー、社内外の多くの関係者と連携しながら進めていくのも特徴です。包装容器に対するそれぞれの要望を汲み取り、反映させていく。そのプロセスは簡単ではありませんが、完成した際の喜びは格別です。容器の一つひとつが我が子のように思えるほど私自身も愛着が湧きます。

前職の知見を活かし、これまで未解決であった課題を解決
製品を輸送する際、まれに段ボールが破損してしまうという課題がありました。たとえ製品自体にはまったく問題がなくとも、段ボールが少し破れているだけで商品価値が損なわれ、やむを得ず廃棄となってしまう事例もありました。
この問題を解決するために、私は前職で培った知見を活かし、破損を防止できる段ボールの形態開発に取り組みました。試作と検証を重ねた結果、従来品よりも耐衝撃性に優れる段ボールが完成。花王のオリジナル形態として各製品に展開しています。この段ボールを使用することで、実際に破損トラブルが大幅に減少し、製品の廃棄量削減にもつながりました。自分のアイデアが形となり、会社に貢献できたことに達成感を覚えました。
前職では包材メーカーの立場で改良提案をおこなっていましたが、使い手側の情報が限られた中での開発で、的確な提案となっているか気がかりでした。一方、花王に入社してからは、解決すべき課題の情報は自社内にあり、真に必要と感じる形態開発に注力してアイデアを具現化できています。前職で得た作り手側の技術を活かしつつ、花王の具体的な課題に対することができるという、開発者として恵まれた環境のおかげで、仕事が楽しく、毎日が充実しています。

世界のスタンダードとなる包装を生み出したい
入社して初めに担当したブランドは「ビオレUV」でした。特に思い出深いのはミストタイプ用の包装容器を開発した時のことです。
押しやすく、美しいミストが吐出できるポンプの仕様を探るため、数えきれないプッシュ操作を繰り返し、検証を行いました。処方液もポンプも新規性が高く、評価中には様々な課題が判明しました。経験が浅かった私は「どうすれば解決できるのだろう」と悩みました。
そんな時、研究所のみんなが私のために次々とアドバイスやアイデアをくれました。そのおかげで不具合を解消でき、無事に製品を販売することができました。お客様の口コミでも「これまでの日焼け止めより使いやすい」という評価をいただき、「頑張って良かった」と感動したのを覚えています。
花王の強みは、こうした助け合いの文化にあると感じます。誰かが壁にぶつかっていれば、周囲が自然と支える。それが花王での日常の光景です。より良い製品を作りたい、という気持ちはベテラン、若手関係なく共有しており、全員でアイデアを出し合える環境だからこそ、困難と思える研究や開発にも果敢に挑戦し、やり遂げることができるのだと思います。
周囲の親身なサポートに恩返しをするためにも、これからも全力で研究開発に打ち込み、より使いやすく、より環境に優しい容器包装を開発していきたいと考えています。そして、世界のスタンダードとして定着するような包装を開発することが私の夢です。この夢を花王でならば実現できると確信しています。
関連研究分野について
包装技術
ONEDAY1日のスケジュール
出社
在宅勤務
6:30
起床
7:00
家事(朝食)
8:00
子どもを保育園へ送る
9:30
出社
10:00
包材メーカーとの打合せ
11:00
CADで形態検討
12:00
昼食(社員食堂)
13:00
グループミーティング
15:00
新製品容器について打合せ
16:00
包装試作品の評価
18:00
終業
19:00
帰宅
19:30
夕食、お風呂、洗濯
22:30
自由時間
24:00
就寝
5:30
起床
6:00
資料作成等の業務
7:00
家事(朝食)
8:00
子どもを保育園へ送る
8:30
始業
9:00
会議資料作成
10:00
ラインテスト打合せ(オンライン)
12:00
昼食(自宅)
13:00
評価報告書作成
15:00
特許出願資料作成
17:30
終業
18:00
保育園迎え
18:30
家事(夕食、お風呂、洗濯)
22:00
資料作成等の業務
24:00
就寝
MY FAVORITEお気に入りの花王商品

- バブ
- お風呂時間に彩りを与えてくれるのでずっと大好きです。特に祖父母が愛用していた「森の香り」がお気に入り。
今は子どもと「今日はどのバブにする?」と話して、親子での入浴がさらに楽しくなっています。