PEOPLE

研究開発

サニタリー研究所(グループリーダー)

2006年 新卒入社
生物資源環境科学府 卒

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本質を追求し続け
より良い衛生品を追い求める

採用面接で芽生えた「一緒に研究がしたい」という思い

学生時代に細胞の生死に関わる生理活性脂質としてのセラミドの機能について研究しており、関連する論文も数多く読み込んでいました。その中で、花王が皮膚のバリア機能に関するセラミドの研究を精力的に行っていることを知り、興味を抱くようになったのです。
採用面接では面接官の方々から、私の研究に対して非常に鋭い質問や意見がありました。面接終了後に「花王の研究者は本当に研究にこだわりがあるな。このような人たちと一緒に研究がしたい」と強く感じたのを覚えています。

入社後はスキンケア研究所に配属され、最初の数年間は美白やシワ改善に関わる有効成分を経皮吸収させるための技術開発を担当しました。皮膚は外部からの異物の侵入を防ぐと共に体内の水分を保持するバリアの役割を持つため、安全に有効成分を浸透させることは容易ではありません。
そこで皮膚科学だけで考えるのではなく、花王が強みとする界面科学の知見を製剤設計に活かすべく、新たな経皮吸収技術の開発に挑みました。その分野に精通した先輩社員からアドバイスを受けながら、試行錯誤の末に生み出した技術により、製品開発や学会発表にまでつなげられました。
この成果は一人では決して成し得なかったものであり、さまざまな分野の専門家が集う花王の“総合力”の賜物だと感じています。

異なる分野の開発に携わり、得られた気づき

スキンケア研究所で最も印象深いのは、美白美容液の製品開発です。初めて一から処方設計を任され、「必ず良い製品を完成させる」という強い決意で取り組みました。私が挑戦したのは、有効成分の皮膚への浸透性や肌の見え方にも工夫を凝らす技術の導入です。
その技術により性能は格段に向上し、手応えを感じていましたが、実使用調査を行うと「ベタベタする」「使い心地があまり良くない」といった意見が寄せられ、大きな壁に直面しました。
何度改善を行っても納得のいく結果が得られず、焦りや不安で押しつぶされそうな日々が続きました。それでも、プロジェクトメンバーと「絶対にやり遂げる」という思いを共有し、根気強く検討を重ねました。その結果、高い性能と優れた使用感を両立した製品を完成させることができました。数々の困難を乗り越えて製品を世に送り出せた時には、本当に心が震えました。

その後、入社9年目にサニタリー研究所に異動。フェミニンケア商品「ロリエ」の商品開発に携わるようになりました。その中で気づいたのは、生活必需品である生理用ナプキンの開発では、装置産業でもあることから、設備投資コストや生産性についても開発段階から設計要素としてより強く考慮する必要があるということです。
商品開発に対する視野が大きく広がり、自分の成長を実感しました。このように異なる分野の製品開発に関われるのは、幅広い事業領域を持つ花王ならではの魅力だと思います。

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10年の歳月をかけ、革新的な製品が完成

サニタリー研究所では、10年の歳月をかけて「ロリエ しあわせ素肌もちふわfit」という製品を開発しました。この製品では、ナプキンが体に心地良くフィットし続け、優れた安心感を得られる新しい吸収体の開発に挑戦しました。
中でも最も苦労したのは新しい吸収体技術の工業化で、実現までに長い年月を要しました。試作・評価・改善を数えきれないほど繰り返しても成果が得られず、何度も挫けそうになりました。それでも、関連部署と諦めずに検討を続け、複雑な加工工程と製品の性能を両立させる手段を見つけ出せたのです。成功の鍵は、花王の真髄である「本質の追求」でした。

私たちは当初、体の形に沿ってフィットするビーズクッションのような吸収体を目指していました。そこで、生理用品の材料である不織布をビーズの様に細かくすることを試みましたが、 狙いの性能が得られず、加工性も著しく低下してしまう……。まさに八方塞がりと言える状況で、どれだけ工夫を重ねても一向に解決策が見出せませんでした。
そこで私たちは一度立ち止まり、改めて「求めている機能とは何か」という本質を問い直してみたのです。その結果たどり着いたのが「不織布の裁断形状をビーズのような小さなサイズよりあえて大きくする」という、逆転の発想でした。繊維集合体である不織布の構造自体が生み出す効果を引き出すとともに、裁断不織布の配列が生み出す絶妙な力学物性を制御することこそが 、本当に求めている機能を最大限実現でき、さらにはネックだった加工性の課題も同時に解決できたのです。
常識にとらわれず、本質を追求し続けることで、革新が生まれる。このブレイクスルーは、まさに花王の研究・開発を象徴する出来事だったと感じています。

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グローバルな製品開発にも挑戦していく

生理用品の研究室のグループリーダーとして、「ロリエ」をさらに進化させていくことが自分の使命だと感じています。
グローバル市場における花王の存在感をよりいっそう高めるためのフラッグシップブランドの一つとして、サニタリー事業をグローバル全体でさらに発展させていくことが私の目標です。世界中の方々に「花王といえばロリエ」と認知していただく未来を、私は本気で目指しています。

その実現には、これまで培ってきた知識やスキルだけでは、不十分だと考えています。グローバルの生活者が持つ、日本と異なる価値観や生活習慣、ニーズなどを深く理解し、それぞれの国や地域にとって最適な製品を戦略的に開発していく力が求められます。
だからこそ、グローバル拠点での業務や原材料サプライヤーとの協業など、広範な業務経験を積んでいきたいと考えています。
また、多様なバックグラウンドを持つグローバルメンバーとの協働においては、その多様性を尊重する姿勢が欠かせません。価値観を合わせ、お互いの強みを引き出し合うことで、真にグローバルな製品開発を実現していきたいと考えています。

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MY FAVORITEお気に入りの花王商品

私のお気に入りの花王商品
ピュオーラ
磨いた後の圧倒的な口の中の清涼感にやみつきです。
同期が開発を担当しており、試作品や改良品は全部試させてもらうくらい、製品の大ファンです。