「経理」というと、決算業務のような実績をまとめあげるものが中心と思われるかもしれませんが、私たちの仕事はそれだけではありません。“経理は経営管理”といわれるように、企業の血液である資金の流れを把握し、収益状態や費用の発生状況などから会社経営の方向を示していくという、経営に直結した役割を担っています。

企業の「経理」にも、スポーツのように攻めと守りがあります。税務処理や決算といった“守り”をスピーディーかつ的確に行いながら、利益管理や財務戦略などの“攻め”は、花王という会社の強みと弱点を把握・分析したうえで、冷静果敢に実行します。プロフェッショナルな守りと積極的な攻め、「経理」はその両面で会社を支えています。

「経理」にとってもっとも重要な業務は、数字という側面から事業戦略を支援することです。たとえば、各部門の利益増加のために予算や実績の管理情報を分析して関係部門へフィードバックする、トップマネジメントに全体の利益管理のための報告や提案を行う、有利な条件で資金を調達しプロジェクトをサポートするなど、「経理」には、各部門や会社全体の動向を把握し、部門トップや経営トップに対して、スピード感を持って積極的に提言することが求められます。こうした働きが、健全な経営体質を維持・強化することにつながります。各部門の方向性はもちろん、花王グループ全体の進む方向を示す“水先案内人”、それが「経理」の大きな役割となっています。

「経理」の担う役割は多彩です。各部門のビジネスパートナーとして目標達成をともに目指したり、投資家や取引先などに的確な決算情報を提供するスポークスパーソンであったり、また時には、グローバルな成長戦略に沿って資金面からサポートし、市場変動に対するリスク管理を行うアドバイザーであったりもします。

企業が活動する時、それが小さな日常的なものでも、大規模なプロジェクトであっても、必要となるのが“資金”です。会計ルールや様々な法律に則り、企業活動を金額的に表現することで、あらゆる場面で企業活動を支えることが「経理」の仕事なのです。